「Promises Kept」 Steve Kuhn
スティーヴ・キューン「プロミス・ケプト」。ECMの作品としては異色の作品。スティーブ・キューンの個性が前面に出ていながら、カルロス・フランゼッティのストリングス・アレンジに包み込まれた甘美な仕上がりは、誰にでも聴き易すく肩の力を抜いて聴けるフレンドリーなECM作品。
この作品に「Produced by Manfred Eicher」の記載がないところをみると、キューンを中心に参加アーティスト主導で制作されたことが伺える。サウンドしかりアルバム・データからしてアイヒャー色が薄いと感じる。最近の彼の作品には日本制作企画盤が多いことも関連があるのかもしれない。
全体がピアノコンチェルト的な構成。楽曲は過去に録音されている曲(1,2,3,9)が含まれており、この4曲はキューン独特の旋律が鮮烈である。2,3曲目は彼の名を知らしめた名盤でもあるECM第一作「トランス」からのナンバー。特に「ライフズ・バックワード・グランス」はキューン自身がハンガリー系アメリカ人であるということへの根源的郷愁を感じさせる。多分彼自身その想いが強いのだと想う。
キューンの独特な旋律には、彼の両親がハンガリー移民であるというそのルーツが大きな影響をもたらしていると想われる。ハンガリーは多様な民族性に支えられた豊かな文化で有名。ベラ・バルトークに代表されるように多様な民族音楽にインスピレーションを受た音楽家も多い。やはりルーツから来るソウルフルな旋律には心を打つものを感じる。(一幸斉)
★アーティスト
Steve Kuhn piano, David Finck bass,
String Ensemble Violins: Krista Bennion Feeney, Elizabeth Lim-Dutton, Richard Sortomme, Karl Kawahara, Barry Finclair, Helen Kim, Robert Shaw, Carol Pool, Anca Nicolau, Violas: Sue Pray, Vince Lionti, Karen Ritscher, cello: Stephanie Cummins, Richard Locker, Joshua Gordon
★アルバム・データ
Recorded June and September 2002 Edison Studios, New York
Recording Producer: Arthur Moorhead
Recording Engieer: Gary Chester
Assistant: Yvonne Yedibalian
Remix, Mastering: Jan Erik kongshaug and Manfred Eicher Rainbow Studio,Oslo
Cover Photos: Dieter Rehm
Liner Photos: Robert Lewis
Design: Sascha Kleis
An ECM Production
ECM 1815, UCCE-1038(日本版)
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