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2005年5月 2日 (月)

「Soul of Things」Tomasz Stanko Quartet

IMG_ecm_1788
 名盤登場。「ソウル・オブ・シングス」は、ECMベテラントランペッター、トーマス・スタンコによる3年ぶりのリーダーアルバム。カルテット(トランペット+ピアノトリオ)では1996年のレオシア以来。レオシアではリズム隊がECMきっての超ベテラン陣だったのに対し、今作はマルチン・ボシレフスキ(P)スワヴォミル・クルキエヴィッツ(B)ミハウ・ミスキエヴィッツ(D)の若手を起用。さすがに演奏のレベルや幅はベテランに敵わないものの、この若手陣もベテランに負けじとプレイもセンスもかなりのレベル。作品の出来はトーマス・スタンコによるものが大きいが、スタンコと若手リズム隊のコラボレーションに違和感は全くなく、絶妙たるアンサンブルと曲想には脱帽だ。これぞポーランド・ジャズの美学かと思わせる作品である。ソウル・オブ・シングスVar.Ⅰ-XIIIの一曲一曲がストーリーを醸し出す組曲的な作品。
 Ⅰはシンプルなモチーフからストーリーが開いていくような、オープニングにふさわしい厳かな展開。Ⅱからは物語がするすると心地よく流れ出し、ストレートアヘッドな4ビートの曲、メロディアスな曲がバランスよく構成され、特にⅣのトーマス・スタンコの哀愁をそそる音色とメロディーがたまらない。Ⅶ・Ⅷは即興的要素が多い曲だが、このような曲でも粋なプレイが出来てしまうのも、リズム隊の若手の領域を超えるものを感じる。XIは物語のクライマックスを迎える感じが素晴しい。最後のXIIIは、アルバムタイトル名を感じさせるトーマス・スタンコのソウルフルなテーマとソロにグッときて、マルチン・ボシレフスキの消え入るようなやさしさに満ち溢れたピアノに包まれながら、物語が静かに扉を閉じていく。「あー、もう終わっちゃうの」というようなエンディング。これぞECMの渋さ。極みである。(一幸斉)

★アーティスト
Tomasz Stanko trumpet, Marcin Wasilewski piano,
Slawom Kurkiewicirz double-bass, Michal Miskiewicz drum
★アルバム・データ
Recorded August 2001
Rainbow Studio,Oslo
Engineer:Jan Erik kongshaug
Cover:Still from "Eloge de l'amour" by Jean-Luc Godard
Photos:Andrzej Tyszko
Design:Sascha Kleis
Produced by Manfred Eicher
An ECM Production
ECM 1788、UCCE-1021(日本版)

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