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2005年5月25日 (水)

「The Triangle」Arild Andersen

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 アリルド・アンデルセン「ザ・トライアングル」。全く新しいコンセプトのピアノトリオ。この美的感覚は並みではない。各メンバーの持つルーツとマインド及びキャリアの融合から生まれる旋律美とインプロビゼーション感覚は、過去に類を見ないジャズの新境地といえよう。
 このトリオ第1作「Achirana」に続く今作品は、ノルウェー、ギリシャ、イギリスからなるヨーロッパの三角形という「ザ・トライアングル」とのタイトルに相応しい趣のある傑作。
 特筆すべきはギリシャ出身ヴァッシリス・ツァブロプーロスのピアノだ。クラシック畑出身の彼は演奏家・作曲家としてクラシックとジャズの二つの顔を持つが、その音楽的魅力と演奏の語法やタッチ及び表現感覚には、典型的なジャズのスタイルを感じさせるところが少ない。またクラシック畑出身ということでは括ることが出来ない部分が多く、それは多分ギリシャという歴史的背景とそのルーツからくる、古典音楽をはじめとする彼のキャリアにあるのであろう。
 作品リーダーであるノルウェー出身アリルド・アンデルセンのベース、イギリス出身ジョン・マーシャルのドラムも、ルーツやキャリアは違うもののECM初期から作品を残し続けている経験豊かな超ベテランである。その厚みと深みある音楽性及び演奏はツァブロプーロスの個性を上手く引き出し際立たせ、作品全体を極上のアートに磨き上げている。
 アルバムの構成はジャズ色の強い曲もあるが、デリケートな曲が主体である。ラヴェル作曲の「パヴァーヌ」は並みのピアノトリオでは成し得ない仕上がりであろう。ラストの「シンデレラ・ソング」に至ってはバラードの極み美しすぎる。まさに目の前でシンデレラがガラスの靴を履いて踊っているかのようだ。(一幸斉)

★アーティスト
Vassilis Tsabropoulos piano, Arild Andersen double-bass,
John Marshall drums
★アルバム・データ
Recorded January 2003
Rainbow Studio,Oslo
Engineer:Jan Erik kongshaug
Cover Photos: Thomas Wunsch
Liner Photos: Roberto Masotti
Design: Sascha Kleis
Produced by Manfred Eicher
An ECM Production
ECM 1752 UCCE-1040(日本版)

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