「Federico Mompou / Música Callada」Herbert Henck
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ヘルベルト・ヘンクECMデビュー作品、「フェデリコ・モンポウ/ムジカ・カラーダ」。この作品がECMから発表されたことに、誠に興味深い感がする。それはムジカ・カラーダとのタイトル(直訳で「音なき音楽」)にある。モンポウが傾倒したスペインの詩人サン・ホアン・デ・ラ・クルースの「高鳴る沈黙、音なき音楽」という作品があり、モンポウは深くその意を汲んで、自分の最も秘めやかな音楽想念の作品にこのタイトルをつけたと言われている。
ですから、これは「沈黙に次ぐ最も美しい音」を追求するECMの作品として当にはまりにはまった企画といえよう。作曲家の内奥にある詩的想念から零れ落ちた沈黙の音を見事に表現した名盤である。大人のスローライフにぴったりの音楽としてもお奨めだ。
ヘンクは1948年ドイツ・ヘッセンに生まれる。マンハイム音楽院、シュツゥットガルト高等音楽院でピアノを学び欧州・北南米で精力的に活動を展開。一方で20世紀のスペシャルな作曲家、中でも過小評価されている作曲家を積極的に採り上げている。
モンポウは母方にフランス系の血を引くスペインの作曲家。1893年バルセロナ生まれ1987年没。バルセロナのリセオ音楽院に学ぶが,エンリケ・グラナドスの推薦で1911年にフランスのパリ音楽院へ進む。フォーレとマルグリット・ロンの演奏会を耳にしてフォーレに傾倒。イシドール・フィリップとフェルディナンド・モット=ラクロワにピアノを、マルセル・サミュエル・ルソーに和声法及び作曲法を師事。
小節線や調性記号のない「プリミティヴ・スタイル」と呼ばれる手法で自由で感覚的な和声による作品を残し、音楽史上特異な位置を占める近年再評価著しい作曲家。
形式面ではエリック・サティ、和声法や旋法の面ではクロード・ドビュッシーの影響が濃く、土着民謡や東洋音楽に影響を受けた簡素な形式と近代的な和声とを巧みに組み合わせた極めてナイーブで内省的なスタイルを確立。(一幸斉)
★アーティスト
Herbert Henck piano,
★アルバム・データ
Recorded August 1993
Festeburgkirche Frankfurt am Main Tonmeister: Andreas Neubronner
Photo: EFE Agency
Cover Design: Barbara Wojirsch
Produced by Manfred Eicher
An ECM Production
ECM New Series 1523
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