2007年11月 5日 (月)

姉妹ブログ「Musikの幸せ」をスタート。

◆11月より「Musikの幸せ」をスタートしました。ECM以外のさまざまな音楽記事をアップしてまいります。「ECMの幸せ」「路地裏の幸せ」と併せて、御愛顧の程を宜しくお願いします。
 「Musikの幸せ」は一幸斉の音楽遍歴から、雑多なネタがランダムに登場いたします。ジャズやクラシックをはじめ民俗音楽や現代音楽にいたるまで、さまざまなジャンルのCDのレビューから、コンサートやライブのレポート、密かに始めているPC音楽製作のこと、楽器や音響機器の紹介など・・・・・ご期待くださいませ。どうぞ、お楽しみに!(一幸斉)

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2005年5月13日 (金)

「The Weeping Meadow」Eleni Karaindrou

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 ギリシャ人映画監督テオ・アンゲロプロスの「エレニの旅」オリジナル・サウンドトラック盤。音楽は彼の作品に欠かすことの出来ないギリシャ人作曲家エレニ・カラインドルー。彼女が紡ぎ出す音世界を言葉で表現するのは不可能に近い。一つの世紀にわたって次から次に処を奪われ続ける難民として、ギリシャ現代史をひたすらな愛で旅していく一人の母性「エレニ」にはギリシャそのものの姿が投影されている。カラインドルーの音楽は私たちの心の中で移動しながら命の深い部分に共鳴を与える。そして、そのメッセージは消えることがない。
 追放、ノスタルジックなアコーディオンの音。絶望と郷愁をオーケストが厳かに奏でる。ストリングスの忍耐強い鼓動。蘇生のリズムを追うハープ。コンスタンティノーブルリラが喚起する音はアンサンブルと相俟って民族性とその背景を想起させる。祈りの合唱さえ言葉を交わしているかのようだ。
 タイトルの「The Weeping Meadow」は邦題「嘆く草原」、直訳は「涙ぐむ牧草地」となろうか   。カラインドルーはライナーの冒頭で次のように語っている、『「エレニの旅」は記憶の断片から、そしてオデッサとスミルナから追われた何千という人々が足跡を残した土地への思いから作られています。土地は彼らが再び住み着き、自分たちの悲しみを歌うのを目にし、彼らの期待と信念と夢を感じ、失くした望みを彼らとともに静かに嘆き悲しみました。』と。難民の望郷への思いと郷愁。打ち砕かれる未来への希望。叶えられない家族愛。この重厚なる現実とその背景・本質から醸し出される厳粛なサウンド。20世紀とは戦争とその歴史に振り回されて移動する人々の苦悩の世紀であったことを痛切に思い知らされる作品である。(一幸斉)
■「エレニの旅」はシャンテ シネ他、絶賛上映中。

★アーティスト
Maria Bildea harp, Konstantinos Raptis accordion, Socratis Sinopoulos constantinople lyra, Vangelis Skouras french horn, Renato Ripo violoncello, Sergiu Natasa violin, Angelos Repapis double-bass, La Camerata Athens String Orchestra, Eleni Karaindrou piano, Hellenic Vocal Ensemble/Antonis Kontogeorgiou choirmaster
★アルバム・データ
Recorded April 2003
Studio Polysound,Athens
Recording engieer: Giorgos Karyotis
Editing and mastering: Yiannis Ioanidis, Petros Siakavellas, Manfred Eicher at Digital Press Hellas
Stills: Dimitris Sofikitis, Andreas Sinanos ( p.10-15,18)
Photo( p.24): Takis Diamantopoulos
Design:Sascha Kleis
Produced by Manfred Eicher
An ECM Production
ECM New Series 1885 UCCE-2037(日本版)

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